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健康食品: クエン酸カルシウムのサプリメントは閉経後女性の骨損失を改善するか?  
執筆者: hosoi-t
発行日付: 2006/11/13
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Url Link: www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Search&db=PubMed&term=11329114+&dispmax=20&relpubdate=No+Limit

 テキサス大学南西メデイカルセンター・ミネラル代謝研究センターのクエン酸カルシウムのサプリメント摂取に関する無作為化対照試験の論文(筆頭著者は同センターのロイ・ピーターソン博士)について概要と考察を述べてみます。

[閉経初期から中期にかけてのクエン酸カルシウムの骨密度に対する効果:無作為化偽薬対照試験]
  本研究はクエン酸カルシウムのサプリメントが63人の閉経後の女性(平均52歳)において骨損失を改善するかについて検討した無作為化偽薬対照試験です。被検者63人中57人は閉経後5年以内、残り6人は閉経後10年以内でした。サプリメント群は800(400咾1日2回に分けて摂取)のサプリメントを、さらに偽薬群も同様に偽薬を1~2年間にわたって摂取しました。ベースラインの年齢、体重、身長、カルシウム摂取量、それぞれの骨密度、閉経後の経過年数などは平均化されています。

    骨密度データはサプリメント群25人、偽薬群 31人から得ることができ、腰椎2番から腰椎4番までの骨密度、頸椎の骨密度、橈骨骨幹部の骨密度がそれぞれ比較されました。結果、クエン酸カルシウム摂取群では骨密度の減少は起こらなかった(+1.03%/2年)のですが、偽薬群では有意に減少(-2.38%/2年)しました。 橈骨骨幹部の骨密度ではサプリメント群で-0.01%/2年とほとんど減少しなかったのですが、偽薬群は一年後の測定で-1.79%、2年後には-3.03%と有意に減少しています。なお、頸椎での骨密度には両群ともにあまり変化が見られませんでした。

 サプリメント群において血中副甲状腺ホルモン(PTH)に変化はみられませんでした。しかし、血中及び尿中カルシウム量は増加し血中カルシトリオールと尿中リン濃度は減少しました。これらのことは甲状腺機能の抑制を示唆しているようです。血中副甲状腺ホルモンが変化しなかったことは、おそらく吸収されたカルシウムの微細な変化を同定するために被験者が絶食状態におかれたことによって、血中PTHの不感受性を招いたためであろうと推察されていいます。

 骨代謝回転に関するマーカーである血中骨特異アルカリホスファターゼ(BAP)とオステオカルシン及び尿中ヒドロキシプロリン、N-テロペプチドはサプリメント補給期間中減少しましたが、このことは骨代謝回転(骨吸収と骨形成)の活動減少を示しています。試験開始後12ヶ月と24ヶ月で血中BAPの量に二群間で有意な差が出たことは、カルシトリオールの合成が抑制されたことによって、代償性の骨カルシウム吸収が低下したことによると思われます。

 結論としては、クエン酸カルシウムの摂取は、閉経後あまり期間の経過していない女性において、腰椎、頸椎、橈骨の骨密度の減少を抑制するようです。またこのクエン酸カルシウムの効果はPTH抑制による骨再吸収の阻害によって得られるものであるようです。閉経後初期の女性の急速な骨の減少は、部分的にはPTH依存型の傾向であるといわれ、骨再吸収の抑制によって骨密度減少が抑制されるのは、骨吸収サイトカインのような要素とPTHの抑制が相互作用を起こすためと考えられます。ただしこれらの効果は閉経後長く経過している女性においてはあまり顕著ではありませんでした。一般に骨粗鬆症治療に用いられるアレンドロン酸ナトリウムではほとんどの患者に腰椎部の骨密度の増加が報告されているのに対して、クエン酸カルシウムの摂取では骨密度が増加するものと変化がないものの両方が見られます。このことは、骨吸収阻害の様式がクエン酸カルシウムと他の薬品では異なることを示しているようです。

 本研究におけるクエン酸カルシウムでの結果は、先行研究における乳糖カルシウム炭酸塩やクエン酸カルシウムリンゴ酸塩などを用いた閉経後初期の女性に対する結果よりも有効でした。本研究で用いたクエン酸カルシウムによる、骨吸収を緩やかにさせる優れた作用は、使用したサプリメントの生体利用能および用量にも関連しているようです。空腹時に服用されたクエン酸カルシウムはカルシウム炭酸塩よりも体内に吸収されやすいことがこれまでの研究から明らかにされており(参考文献: Recker RR: Calcium absorption and achlorhydria New Engl J Med 1985.313.70-73,  Nicar MJ, Pak CYC: Calcium bioavailability from calcium carbonate and carcium citrate. J Clin Endocrinol Metab 1985; 61:391-393,  Harvey JA, et al: Dose dependency of calcium absorption: A comparison of calcium carbonate and calcium citrate. J Bone Miner Res 1988;3:253-258)、またそのことがカルシウム炭酸塩や乳糖カルシウム炭酸塩より効果的に副甲状腺機能抑制作用を示すこと(参考文献: Gonelli S, et al: Acute biochemical variations induced by two different calcium salts in healthy perimenopausal women. Calif Tissue Int 1995;57:175-177)が報告されています。クエン酸カルシウムリンゴ酸塩を利用した場合、これもクエン酸カルシウムと同等の生体利用能を持っているのですが、前者を用いた先行研究では用量が本研究よりも少なかったために本研究同様の成果は得られませんでした。

 被験者数が少なかったこと、また特に実験とは関係のない理由でサプリメント群に離脱者が多くなり、比較すれば、偽薬群が人数的に多い被検者構成になったこと、さまざまな指標が副甲状腺機能の低下を示唆しているにもかかわらず、血中PTHの低下が本薬群においてみられなかったことなどが、本研究における課題点であるといえます。

 
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