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こども: 少女は糖尿病になりやすい  
執筆者: khirota
発行日付: 2004/1/12
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最近のいくつかの調査から、同じ年齢の子供では、男児よりも女児の方が糖尿病になりやすいという結果が出ています。しかも、白人よりもアジア系人種にその傾向が強いようで、アメリカ・インディアンで4-6倍、日本人の調査でも2倍、女の子の方が男の子よりも2型糖尿病(いわゆる生活習慣病として問題になっているインスリン非依存性の糖尿病)になりやすいらしいのです。

 小児科学の1月号の論文(Murphy, MJ et al.: Girls at five are intrinsically more insulin resistant than boys: the programming hypotheses revisited --- the EarlyBird Study (EarlyBird 6). Pediatrics, 113(1); 82-86 (2004))で、マーフィーらは、女児が男児よりもどのくらい本質的に糖尿病になりやすいのかということを検討しています。つまり女性であるということだけで高まる性差による危険率はどのくらいかということです(以下はほとんど論文の要約そのままであることをお断りしておきます)。

 マーフィーらは、小児の2型糖尿病を調査した結果、女児の方がインスリン抵抗性の割合が高いことに気付きました。そこで、性差がインスリン抵抗性にどのくらい影響するのかを調べることにしました。

 アーリーバード(EarlyBird)は、共同体規模の非介入研究で、307人の健康な入学準備期(5歳)の小児を対象にしています。疑問は、こうです。どの子供にインスリン抵抗性があるのか? そしてそれはなぜなのか? それを知るために、彼らの身体計測、活動強度、安静時エネルギー消費(REE)、インスリン抵抗性、関連する生化学的指標が調べられました。

 その結果、5歳の時点において、女児は男児よりも35%インスリン抵抗性が多いという結果が得られたというわけです。

 女児は同じ体重であっても、男児より26%多く皮下脂肪を蓄えていましたが、身体計測値(身長、体重、BMI、ウエスト、皮下脂肪)と活動強度を補正しても、なお女児の方が33%もインスリン抵抗性が多いという結果になりました。中性脂肪も女児のほうが有意に高い値を示しました。一方で、HDL-コレステロール(善玉コレステロールと呼ばれることもある)と性ホルモン結合グロブリンは有意に女児のほうが低かったのです。

 性に関わる遺伝子で、この違いを説明できるのではないかと、マーフィーらは言います。そして、おそらく男児より女児に糖尿病が多い理由もそこに起因するだろう、と。

 最後のところは、最近はやりの栄養遺伝子学(Nutrigenomics)へのオマージュの一例になっていますが、特に遺伝的な根拠が提示されているわけではありません。

 とりあえず、女児のほうが、特にアジア人で、2型糖尿病を発症しやすいらしいという点を押えて、あとは新しい研究結果が出るのを待ちましょう。

(廣田晃一 健康・栄養情報研究室長)


 
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