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大豆イソフラボンはヒトの血中総コレステロールおよびLDLコレステロールを低下させる

〜無作為化割付比較試験(11報)のメタ分析〜

 多くの臨床試験やメタ分析の研究において、分離大豆たんぱく質とイソフラボンの摂取は動物性たんぱく質の摂取に比べ、血中脂質の改善効果が見られたと報告されています。しかし、有意な効果が報告されなかった論文もあります。また、分離大豆たんぱく質とその成分であるイソフラボンの役割は未だに明らかにされていません。

 そこで、大豆たんぱく質の影響をコントロールし、血中脂質の改善効果にイソフラボンがどのくらい寄与しているかを解明することを目的として、メタ分析を行いました。

 2006年5月29日に、PubMedを対象とし、1990〜2006年に発表された、ヒトにおける大豆たんぱく質とイソフラボンの血中脂質の改善効果を検証した英語の原著論文を検索しました。

 検索キーワードは“(soy protein OR soy OR soybean OR soya)AND(isoflavones OR isoflavone)AND(cholesterol OR lipid)”としました。

 その他、イソフラボンに関するメタ分析の論文3報の参考文献リストから関連論文を手動で収集しました。論文の選択基準は、
?成人の対象者が大豆たんぱく質を1〜3ヶ月間摂取したこと、
?研究デザインが並行またはクロスオーバ無作為化割付比較試験であること、
?分離大豆たんぱく質の摂取量が同じで、イソフラボンを豊富に含む群とイソフラボンの除去された群の群間比較が可能であること、
?イソフラボンの摂取量が報告されていること、
?試験前後の脂質濃度が報告されていることとしました。

 以上の選択基準で、重複した論文を取り除き、最終的に11報の論文をメタ分析しました。

 大豆たんぱく質の摂取による影響をコントロールし、大豆イソフラボン102mg/d(摂取量の平均差)を1〜3ヶ月間摂取した結果、血中総コレステロールとLDLコレステロールはそれぞれ平均0.10mmol/L(3.9mg/dL、1.77%、P=0.02)、0.13mmol/L(5.0mg/dL、3.58%、P<0.0001)低下しました(図1参照)。

 大豆イソフラボンの摂取はHDLコレステロールと中性脂肪には影響しませんでした。

 イソフラボンを除去した(アルコール抽出が不完全なため、実際の平均摂取量6mg/d)大豆たんぱく質(平均摂取量49g/d)は動物性たんぱく質に比べ、高コレステロール血症の対象者において総コレステロールを0.20mmol/L(7.7mg/dL、3.56%、P=0.05)、全対象者においてLDLコレステロールを0.10mmol/L(3.9mg/dL、2.77%、P=0.03)、正常者においてHDLコレステロールを0.06mmol/L(2.3mg/dL、4.50%、P=0.03)、低下させました。イソフラボンを豊富に含む(平均摂取量111mg/d)大豆たんぱく質(平均摂取量49g/d)は動物性たんぱく質に比べ、LDLコレステロールを0.18mmol/L(7.0mg/dL、4.98%、P<0.0001)低下させ、HDLコレステロールを0.04mmol/L(1.6mg/dL、3.00%、P=0.05)上昇させました。

 LDLコレステロールの低下作用は高コレステロール血症の対象者で正常者より顕著でしたが、初期の血中濃度との線形相関は見られませんでした。また、LDLコレステロールの低下作用は大豆たんぱく質とイソフラボンの摂取量とも線形相関がありませんでした。

 以上より、大豆イソフラボンは血中総コレステロールとLDLコレステロールを有意に下げるが、HDLコレステロールと中性脂肪には影響しないこと、大豆たんぱく質はイソフラボンの有無に関わらず血中脂質の改善効果を示すこと、LDLコレステロールの低下作用は高コレステロール血症対象者で正常者より顕著であるが、試験前の血中脂質濃度とイソフラボンの摂取量との間に線形相関が見られないことが認められました。

 大豆イソフラボンは大豆たんぱく質と同時に摂取される場合、相加的、相乗的にコレステロールを低下させることが示唆されたといえます。【卓 興鋼】



出典:Taku K, Umegaki K, Sato Y, Taki Y, Endoh K, Watanabe S. Soy isoflavones lower serum total and LDL cholesterol in humans: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials. Am J Clin Nutr. 2007 Apr; 85(4): 1148-56.

ニュースレター「健康・栄養ニュース」第6巻1号(通巻20号)平成19年6月15日発行から転載


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